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大人と子供の境界線は、いったいどこにあるの。
呟いた言葉に、刹那が顔を上げた。
「俺は子供だと?」
「だーれもそんな事言ってませんよ」
「ロックオン」
「言ってねえって」
ロックオンは思わず笑う。
睨まれても、怖くない。
寧ろ、愛しいほどだ。
可愛い可愛い。
撫でてあげたいほど。
抱きしめてあげたいほど。
キスしてあげたいほど。
可愛い可愛い。
「大人と子供の境界線は、どーこだ」
「さあな」
「じゃあ、刹那は自分が大人だと思うか?」
「少なくともロックオンよりは子供だと思う」
「何で?」
「俺は16でお前が24だからだ」
認めたくないけれど。
呟く刹那に、ロックオンは苦笑する。
その笑顔に負けたように、刹那はクッションに顔を埋めた。
殴られたときもあった。
怒られた。
愛された。
やっぱり、自分はいつも受身。
だから、ロックオンは大人。
そんな理屈、罷り通るのだろうか。
自分の言葉が子供っぽくて、嫌になる。
眉を寄せた刹那に、ロックオンは歩みよった。
「そんな顔してると、可愛い顔が台無しよ?」
「可愛くない」
「反応が可愛いって」
「可愛くない」
「可愛い可愛い」
「可愛くない」
「抱きしめて良い?」
「可愛くない」
「はいはい」
頷いて、ロックオンは刹那を抱きしめた。
クッションが邪魔だ。
それでも、刹那はロックオンの腕の中にすっぽりと納まる。
それが面白くて。
愛しくて。
ロックオンは刹那の髪に鼻を埋めた。
「あ、シャンプー、変えた?」
「なくなったから、ティエリアの借りた」
「あいつ、シャンプーにはこだわるもんなあ」
クスクスとロックオンは笑う。
「俺から見れば、皆子供みたいなもんだ」
「アレルヤは?」
「あいつだって、子供だぜ?」
「少なくとも、ロックオンより大人しい」
「でも、寂しがりや」
「そうなのか?」
「さあな」
ロックオンは笑うばかりだ。
それが嫌になり刹那はクッションでロックオンを引き剥がした。
そしておまけにクッションを投げる。
ロックオンはふかふかのクッションを受け止めると、苦笑した。
「俺、大人?」
「子供」
「何で?」
「なんとなく」
ロックオンは笑いながらクッションをソファに戻す。
そして、刹那の隣に座った。
刹那は両足を抱えて体育座りをしていた。
その髪を撫でて、ロックオンは呟く。
「キス、して良い?」
「駄目だ」
「お願い」
「気色悪い」
「ひでえな、おい」
「やめろ」
「全く」
刹那の拒否反応を面白がりながら、ロックオンは刹那の髪にキスを落とす。
刹那は咄嗟に身を引くと、赤い顔を庇うように腕で顔を覆った。
そして、小さく呟いた。
「やっぱり、ロックオンは子供だ」
「どして?」
「…我慢が、出来てない」
そりゃまあ、刹那が相手ですから。
ロックオンは盛大に笑ってしまった。
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