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子供な僕ら。(○・ロクアレ)

飲みすぎた。
アレルヤはベッドに横たわり小さくため息をつく。
スメラギと一緒に酒を飲んだは良いが、彼女はどれだけ酒豪だ。
酒に強い女性の強さを、アレルヤは初めて思い知った。
ため息を一つ。
そのため息に重なるように、ノックオンが響いた。

「アレルヤ、入るぞ」
「ロックオン?」
「今日、お前の誕生日だろ?」
「え?」

突然の言葉に、アレルヤは目をぱちくりとさせる。
自分の誕生日はスメラギにしか言っていない。
どうして、彼が自分の個人情報を知っているのだろう。
ここでは誰もが過去もプロフィールも全てを隠すというのに。
驚くアレルヤに、ロックオンは笑ってビンを出した。

「ミス・スメラギが、酔っ払って言っててさ」
「スメラギさん…」
「あれじゃあ、情報駄々漏れだよなー」

ロックオンは笑ってビンをアレルヤに手渡した。
そして、グラスを二つテーブルの上に置く。

「まあ、誕生日くらい、良いか?」
「そうだね」

思わず苦笑してしまうアレルヤ。
そんなアレルヤに笑い、ロックオンはグラスを一つアレルヤに手渡した。

「それ、開けられる?」
「これ何?」
「ビンテージ物のワイン。スメラギさんだと、ウオッカあたりだと思ってな」

ビンゴ。
アレルヤは思わず笑った。
そして、赤い液体を見る。
とぽとぽと流れる液体。
さて、これはどうやって開けるのだろうか。
成人になったばかりの自分では、よくわからない。
首を傾げていると、ロックオンが笑いながら一つの棒を取り出した。

「これがなければ開きません」
「ロックオン…」
「お前の知識がどれだけかと思ってさー」

アレルヤは呆れながらビンをロックオンに投げ渡す。
受け取ったロックオンは、何やら路線を描く銀色の金具でコルクを抜いているようだった。

「お前は、今日から大人だもんな」
「ロックオンは、老けてるね」
「言うなよ」
「だって、僕よりずっと年上」
「まあ、否定はしないけど」

ずっとじゃねえだろ。
ロックオンは笑いながらワインを注ぐ。
そして、一つをアレルヤに差し出した。

「俺が飲んだのは、まだ未成年の頃だったなー」
「スメラギさんに怒られるね」
「そうだな」

クスクスと笑いながら、ロックオンはワインを一口。
それを見て、アレルヤも赤い液体に口付ける。
そして、眉を寄せた。

「苦い」
「わっかいなー」

思わず笑ってしまうロックオンだった。

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