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眠いような。
眠くないような。
ただ、頭はぼうっとしているから寝たいのだと思う。
刹那はくるりと体の向きを変えた。
冷たい指先に、空気が触れる。
「…寒い」
空調整備はされているはずなのに。
この寒さは一体どこから来るのだろう。
そんな事を思っていると、枕元に置く携帯が音をたてた。
刹那は冷たい空気の中で指を這わせて携帯をとる。
布団にくるまりながら携帯を見てみればメールが一通来ていた。
「馬鹿か?」
寝てる?
なんて、たった一言。
刹那はため息をつくと、相手に電話を返した。
正直、メールを打つのも億劫であった。
「あれ?刹那から電話なんて珍しいな」
「俺は眠いんだ。何か用事か?ロックオン」
「いや、刹那は寝てるかと思って」
ただ、それだけ。
電話越しに笑うロックオンに刹那はため息をつく。
呆れ果てて怒る気もしなかった。
「寝るぞ」
「はいはい。お休み、刹那」
愛しい声色で呼ばれ刹那は電話を握りしめた。
「お休み」
「刹那にしては素直だなあ」
「煩い」
ロックオンの笑い声が聞こえた気がした。
しかし、それも気のせいだと思い刹那は電話を眺める。
何故だか先ほどよりも暖かかった。
もう一度、電話をかけたくなった。
でも、切ったのは自分から。
プライドが邪魔をする。
刹那は眠さを紛らわすように携帯を睨みつける。
朝になって、自然と携帯を握りしめたまま寝ていた刹那をロックオンが起こすのはまた別の話。
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