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意地っ張りで、泣き虫で。
でも、そんな欠片を一つもださない。
それが、刹那。
「刹那」
「煩い」
「眠いなら寝れば?」
ロックオンは苦笑した。
時は既に日付が変わる瞬間を指している。
ソレスタルビーイングに入ってからの激闘。
精神的にも肉体的にも疲れているはずである。
それでも、刹那を名乗る少年は妥協を許さない。
いや、違う。
「意地っ張り」
「煩い」
「おっかねえの。可愛い顔が台無しだぜ?」
「元からだ」
刹那の瞳は宙を見つめるばかりである。
ロックオンは小さな体を見下ろした。
まだまだ未熟な刹那。
自分が大人だとは言い切れないが、それでも刹那よりは大人だと言える。
「子供の内だぜ」
「何がだ」
「そうやっていられるのも」
成長するにつれて、意地を張る手段を無くした。
「俺は子供じゃない」
「はいはい」
でも、泣きたい時に泣けるのも。
悩みたいだけ悩むのも。
意地を張るのも子供の特権。
ロックオンは刹那の頭に手を乗せた。
とても小さな刹那。
「俺は俺だ」
「そうだな。ま、刹那が二人も三人もいれば大変だ」
「俺はロックオンよりマシだ」
「そうですか」
ロックオンは笑った。
それが気に入らなかったのか、刹那はロックオンの手を振り払う。
そして、早々に立ち去ってしまった。
「わかりやすいねえ」
そんなところが可愛いんだけど。
「…可愛い?」
ロックオンは自分の思考に首を傾げる。
だが、刹那に振り払われた手を見ると悩みも消えた。
思わず笑みが零れる。
「俺も、まだ若いってこと?」
苦笑は沈黙に消えた。
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