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弱音を切り捨てた。
要するに、四捨五入の頭に入れたと現実を述べたら頷かれた。
違うとも言われず、そうとも肯定されずに四は宙を舞う。
もしかしたら、別の数字かもしれないが個人的に2. 5等という小数点は嫌いだったので候補には含まない。
マイナスにいく分には-100だろうが、-1000だろうが興味はなかった。
つまり、結局のところ切り捨てることが可能であり小数点を含まない存在になりたかったのだと思う。
「エスコート役が刹那、か」
車に乗り込み、ティエリアは見知った髪を認めた。
車のハンドルを握る彼に、本当に運転が出来るのかと不安になる。
刹那は帽子をかぶり直しただけだった。
「不安か?」
「何が?」
「俺の運転だ」
「自分で運転した方が良かった、と思わせないようにしろ」
ティエリアはため息をつき、窓ガラスの外を見る。
赤いドレスと夕日が合わさり、波紋を広げていた。
眩しさに目を細めると、気づいてか刹那がアクセルを踏む。
流れる光に中和を知る。
「失敗するなよ、エスコート役」
「こちらの台詞だ。ティエリアこそヘマをするな」
「誰に向かって、…」
長い髪が彼女を彷彿とさせ、ティエリアは不謹慎にも苦笑した。
「ああ、守られるとか守るとか気にはしていなかった。だが、姿に合わせて感覚を変えるのも一興だ」
「ティエリア?」
「普段の挽回をしろ、刹那」
守られても守ってもいない互いの立場に、刹那は信号が変わるまでの時間を可笑しく感じた。
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